「不定期で書。」 このコーナーは、書道毛筆10段の南波志帆が気の向くままに漢字一文字で気持ちを表すコーナーです。

「最」 (2012.6.14)

最

『もしかしたら、ロングヘアだけが自分のアイデンティティーになってしまっているのではないかと不安になった。わたしの顔を、わたし自身を、ちゃんと見てもらうために「髪の毛を切りたい」と思った。わたしは、生まれてからずっとロングヘアで、それがトレードマークでもあった。どんな時でも、長い髪の毛がそばにいて、いっしょにたくさんの時間を過ごしてきた。いわば、相棒。その大切な髪の毛を切るというのは、自分の中でも相当な葛藤があった。でも、それよりも何よりも、変わりたいという気持ちが強くなったの。だから、最初に自分でハサミを入れた。みんなが見守ってくれてる、温かい環境の中で。いろんな想い出が蘇ってきた。かけっこの時いっしょに走ったなぁ、とか、給食の時ごはんに入りそうになってハラハラしてたなぁ、とか、乾かすのに時間がかかってたまに面倒くさく思っちゃったなぁ、とか。お母さんによく三つ編みにしてもらっていたなぁ、、とか。すると、自然と涙が出てきた。でも、悲しい涙ではなかった。今までありがとう、という感謝の涙だ。すべての髪の毛を切り終えた時、気持ちがふわっと軽くなった。なりたかったわたしに出会えた。』南波志帆は、本日19歳になりました。髪の毛も切って、真新しい気持ちで10代最後の歳を迎えることができました。変わることに怖さを感じていた、昔の自分はもういません。なぜなら、どんなに変わっていっても、自分の中にある芯は絶対にぶれないということに気づけたから。19歳のわたしはひと味違います。肩の上で軽やかに揺れる髪の毛と共に、さらなる高いステージを目指します。楽しみにしていてね。今まででいちばん、最高の歳にします。